書く実験の記録

#697 世界には5個のAIしか必要がない

世界には5台のコンピューターしか必要がないという有名な逸話がある。これは確かIBMの初代会長が言ったとされている言葉だったか。まあ実際には言ってないらしいが、しかしこれは初期のテクノロジーに対して、いかにその分野の専門家であっても、その将来の可能性を見誤ってしまうことがあるかという例としてよく紹介される。

しかし、それから何十年も経った今、いみじくもこの状況に近づいているのではないかと思うことがある。

そもそもこれはどういう意味として捉えられているかと言うと、最も初期のコンピューターの時代に、まだ世界にコンピューターが普及する前の時代に、「世界にはコンピューターはそんなにたくさん必要がない。集中的にどこかに計算リソースがあって一部の人がそこにアクセスすればいいだろう」と、まあそういうことだ。

その後、パーソナルコンピューターが普及して、みんなが1台のパソコンを持つようになり、なんなら今はスマホを持っているので、それにウォッチを持っていたら、いろいろなものを持っていて、なんなら1人に複数台のコンピューターがある状況だ。

この話というのは、だから誤りであるという逸話だし、IBMの初代会長のような偉大な人物であっても、その未来を見通すのは難しいというような例え話としてあったように思う。

しかし、昨今の状況を見ると、少し変わってきてるように思う。これは揺れるとか振れ幅の話であって、行ったり来たりしている話のようにも思うけど、その中で、例えば今、私は主に普段使いとしてはOpenAIのAIを使っていて、あとは他にも画像を作る時はGoogleのものを使うことが多いし、プログラムを書く場合にはClaudeのAIを使うことが多い。

いろいろなものを分けて使っているけれども、しかし最も高性能なモデルというものは、世界にそれほど多くはない。パーソナルコンピューターのようにたくさんあるのか、それとも「世界に5台のコンピューター」のように少ないのかと言うと、どちらかといえば後者に近い状況だろう。

今は極めて優秀な1つのAIモデルを、たくさんの人数が、それこそ何百万という人間が使うという状況にある。言ってみれば「世界に5台のコンピューター」ではなくて、「世界に5台の大規模モデルがある状況」と言ってもいいだろう。

もちろん違いはあって、「世界に5台のコンピューター」の時代には、そこには世界中の人がそれを使うという状況ではなくて、まだインターネットが普及する前の時代だったので、数少ないその高性能なコンピューターを持っている人たちがそれを利用するという思想だったわけだから、今の高性能なモデルを世界中の人が利用するという考え方とは全く違う。

今も極めて高性能のスーパーコンピューターというものはそれほど数は多くないし、それをみんなが入手して手に持っているわけではないけれども、それよりは性能が低いけれども、あるし、50年前のコンピューターというものからしたらスーパーコンピューター以上の性能であるデバイスをみんなが手に持っているという状況なわけで、そういう風に考えると、手元のデバイスで黎明期の構成のモデル以上のものが動きながら、集中管理された中央のモデルが、全員が持てる規模ではないレベルの高性能を有している。

そして、必要な場合、高度な用途が必要な場合にそこにアクセスするというものになるんだろうか。いや、まあ、すでになっているんだろうが。

今はまだ、どうしてもローカルで動くモデルというものはやはりかなり見劣りがするというか、十分に実用的だというのは少し難しいと思っていて、もちろんどんどん性能が上がってるし、数年前からしたら考えられないレベルなんだけれども。

言ってみたらChatGPTのような最先端の高性能のモデル、間違いはおかしい。これは性能の問題というよりはルシネーション(hallucination)の問題なので、仕組みの問題ではあるんだけれども、まあとにかく日常的な用途に対してまだまだ100%十分というわけではないから、上手い使いこなしが必要だし、そういう意味で言うと、まだまだローカルで動くモデルというものはそこにも達していないわけなんだけれども、いずれは日常的な用途に関してはローカルで動くものが、みんなが所有するレベルで十分なものになって、そして今のスーパーコンピューターのように高度な目的が必要な場合のみ、そこに人々がアクセスすると。

言っても、今のスーパーコンピューターに一般の人々がアクセスする機会というものは、実際のところないわけだから、同じように、ほぼそういうことはなくなるのかもしれない。

次回に5台のコンピューターしか必要がないという逸話についてはその発言が間違いであったという逸話であるしこのタイトルである世界に5個のAI しか必要がないというのも また間違いであるように今は少し世界にいくつかの巨大モデルがあるという状況だけれどもそれが間違いであったという状況に振れ幅を行き来していくのだろう。

2025-06-21

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